皆さんは飛行機に乗った時、エンジンの轟音が聞こえることはご存知ですよね!!
離陸の時は加速するため、エンジンの回転数を上げるので、それに伴って轟音がなります!!
これは皆さんもわかると思います。
しかし、着陸する直前(着陸体勢に入った後)と着陸後にも、離陸の時と同じぐらいの轟音が聞こえると思ったことはありませんか!?
私も高校生ぐらいの時は疑問に思っていました。
なんで「着陸したのにエンジンが唸りを上げているんだ!?」と(笑)
今回は、着陸直前の轟音と着陸後の轟音についてお話ししていきたいと思います。
着陸直前の轟音について
この音は2通りの音が聞こえているかと思います。
- ランディングギア(車輪)が出て、ランディングギアが風をきる音
- フラップ(高揚力装置)が展開され、それにエンジンから出るジェット噴流が当たっている音
特に『②』でお伝えした音の方がより大きく聞こえるのではないかと思います。
そもそもフラップとはなんぞや!?という方もいらっしゃるかと思いますので、フラップについても簡単にお話しいたします。
フラップとは
フラップとは日本語名で『高揚力装置』のことであり、
主翼の後ろ側から出てくる翼の面積を拡大してくれる装置のことです。
通常、飛行している時は格納されていますが、離着陸時にはこの『フラップ』を展開して揚力(浮く力)を増大させます。
これにより、低速でも揚力がなくならず、低速で安全に着陸できるようになります。
離陸の時は逆に低速でも浮くようになるのです。
ちなみに余談ですが、飛行中にこれが壊れて展開できなくなったとしても、安全に着陸することが可能です!!
では話を戻しますが、エンジンがフラップに当たって音が大きく聞こえるというのもあります。
ただ、フラップを展開すると抗力が増大してしまいます。
そのため推力を得なければならず、必然的にエンジン出力をあげるということもありますね!!
飛行機には常に上記のような力がかかっており、これにより飛行機は空を飛んでいます。
つまり、フラップを展開すると抗力が増大するため、そのままにしていると飛行機は前に進む力を失ってしまうんですね。
それを阻止するために推力を発生させ、抗力よりも推力を得らなければならないということです。
着陸後の轟音について
着陸後に勢いよく身体が進行方向にもっていかれたことはありませんか!?
実はこれが轟音の正体なのです。
この轟音は『リバーサー(逆噴射装置)』から発せられる音です。
飛行機というのは前に進んでいなければ、その場で落ちてしまいます。
ともあれ、着陸の際は落ちないギリギリまで速度を下げています。
速度を下げていると言っても、新幹線の最高速度でもある時速約300kmぐらいです。
これだけの速度で着陸し、長くても4kmぐらいの距離しかない滑走路に降りるのです。
フルパワーで減速しないとあっという間に4kmなんて使い切ってしまいます。
そのため、飛行機には車輪のブレーキの他に、エンジンの噴射を進行方向に出す『リバーサー』と呼ばれる装置が付いているのです。
これにより、時速300kmで着陸した巨体は、わずか10秒ちょっとで安全な時速60kmぐらいまで減速できるのです。
ちなみに滑走路コンディションや飛行機の重量、滑走路の長さなど全ての条件が整っている場合、『リバーサー』を使わないで着陸することも可能です。
私も一度だけ、着陸後に『リバーサー』を使わなかった便に搭乗したことがあります。
乗ってる方からすると「えっ!?大丈夫なの!?」と思ってしまいますが、車輪のブレーキだけも、滑走路が濡れていないなどの条件が整っていれば、十分止まることが可能なのです!!
まとめ
今回は、飛行機の着陸直前と着陸前の轟音についてという、かなりマニアックな内容をお話しいたしましたが、この轟音がするということは正常に飛んでいるという証なんですね!!
皆さんも飛行機に乗る際は、飛行機から発せられる色々な音にも興味をもって乗ってみると、案外楽しいかもしれませんよ!!
それでは〜〜