現在の旅客機の多くがこの2大メーカーによって製造されています。
代表的なものが、この「エアバス社」と「ボーイング社」です。
今回はこちらの2大メーカーの違いについてお話ししていきたいと思います。
エアバス社とは
では、まずエアバス社についてですが、エアバス社はヨーロッパ連合EUの内4カ国(フランス・ドイツ・イギリス・スペイン)の会社が共同出資しているヨーロッパの航空機製造メーカーです。
本拠地はフランスにあります。
エアバス社の象徴とも言える機体は、オール二階建てのA380という機体ですね。
この機体は開発当初からボーイング社のジャンボジェットに対抗する機体として製作されたため、現在の旅客機の中では最大級の大きさを誇ります!!
ボーイング社とは
続いては、ボーイング社です。
アメリカの航空機製造会社ボーイングはシアトルに本拠地を置いています。
ボーイング社の象徴とも言える機体は、やはりジャンボジェットの愛称がついているB747ですね。
それ以外でも近年、問題続きであったB787なども有名ですね!!
さらに言うと第二次世界大戦中に日本に多く飛来していた、『B -29』と呼ばれる機体もボーイング社製なのです。
エアバスとボーイングの思想
航空業界では有名な話ですが、
エアバス社とボーイング社ではそれぞれ機体製造時のコンセプトが異なります。
飛行機と人間が対立した際、人間はミスを犯すものである。
最後に信じられるものは機械であり、機械に頼れば事故はなくなる。
飛行機と人間が対立した際、機械はあくまでも人間を補助するものである。
最後は人間がしっかりと技術を持って操縦することで事故はなくなる。
面白い両者の主張ですよね!!
この2大メーカーは航空機製造で競争しているだけでなく、事故を減らすきっかけで、機械対人間という主張の対立もしているのです。
皆さんはどちら派ですか!?
私の個人的な意見ですと、やはり最後は人間がしっかりと操縦して事故を防止するというボーイング社の思想の方が好きですね。
パイロットの腕を信じるという意味でも(笑)
また、もう一つ2社には違いがあります。それが、飛行機を操縦する『操縦桿』です。
エアバス社:サイドスティック
ボーイング社:操縦桿
エアバス社は、コクピット内は広く、操縦しやすいように。
ボーイング社は、操縦桿はしっかりと握り、操縦しやすいように。
この2社の操縦桿を見ても、それぞれの違いが明白ですよね!!
エアバス社とボーイング社の日本でのシェア
実際に、この2大メーカーは日本ではどのぐらいのシェアを誇っているのでしょうか?
日本の有名エアラインでもある「JALグループ」と「ANAグループ」で比べてみることにします。
ボーイング社製機:179機
エアバス社製機:5機
そうなんです!!JALグループは、ほぼ全ての保有航空機がボーイング社なのです。
この理由は上述の操縦桿の違いにあるのですが、そもそもパイロットの操縦ライセンスは1機種限定なんです
同じボーイング社の機体であれ、他の機種を操縦する場合はライセンスを取り直さなければなりません。
ボーイングからエアバスともなると、それ以上に異なるため、ライセンス取得にかなりの時間を要してしまいます。
また、このお話しは整備士にも言える話になります。
整備士も同じように1機種限定でライセンスを持っているため、パイロットと同様のことがおきます。
つまり、航空会社としては保有機体を1社に絞った方が効率が良いのです。
ボーイング社製機:214機
エアバス社製機:69機
ANAグループもエアバス機を所有していますが、やはりボーイング社機の保有数の方が圧倒的に多いですね。
ANAグループの理由もJALグループの理由と同じです。
日本の大手航空会社は、圧倒的にボーイング社製の機体の方が多いですね。
なぜエアバス社製の航空機が採用され始めている理由
しかし、ここ最近は、各社エアバス社の航空機を採用し始めています。
その大きな理由が、エアバス社の同一ライセンスにあると思います。
エアバス社の飛行機は1機種のライセンスで、エアバス社製の機体全てを操縦できるのです。
つまり機種によってのコクピットの違いはなく、全て同一に製造されているということです。
これにより乗り換えライセンス取得という手間が無くなり、効率よくパイロットを配置できるのです。
まとめ
エアバス社とボーイング社はそれぞれが異なった思想で航空機を製造しています。
この違いを知り、次回皆さんが飛行機に乗る際に、これはどっちの機体だろうと興味を持っていただけたら嬉しいです。
ここでは紹介しきれていない2大メーカーの違いもありますので、違いを見つけるために、乗り比べてみるのも面白いですよ!!
では、楽しい空の旅を!!
それでは〜〜