2024年1月16日に新千歳空港内で大韓航空とキャセイパシフィック航空が機体同士をぶつける接触事故を起こしました。
大韓航空とキャセイパシフィック航空の乗員乗客にケガ人はいないということですが、新千歳空港発着の他社便が欠航するなど、影響が出ました。
事故の原因
今回の事故は、プッシュバック中の大韓航空機と駐機中のキャセイパシフィック航空機で発生しており、キャセイパシフィック航空は無人の状態でした。
そして、大韓航空機もプッシュバック中ということから原因はトーイングトラクターであると考えられます。
雪のため、トーイングトラクターがスリップして制御できなくなったことが一番の原因と考えられますが、雪国の空港でスリップ時の対処法が確立されていないということも考えにくいと思います。
ここからは推測になってしまいますが、トーイングトラクターの運転手が新人であり、独り立ちして間もない時期であったのではないかと思われます。
事故の概要
寒い雪の降る2024年1月16日17時30分過ぎに、韓国の航空会社である『大韓航空』と香港の航空会社である『キャセイパシフィック航空』が駐機場にて接触事故を起こしました。
出発のためプッシュバックを行っていた大韓航空機の左主翼が、隣の駐機場に駐機していたキャセイパシフィック航空の右尾翼に接触しました。
大韓航空には乗員乗客289人が搭乗しておりましたがケガ人はおらず、キャセイパシフィック航空には乗員乗客は乗っていなかったということです。
また、この接触に対してオイル漏れや燃料漏れなども発生していないとのことでした。
事故機の状況考察
大韓航空機
大韓航空機は出発準備を終え、滑走路に向かうために後方へ押し出してもらう「プッシュバック」を行っている最中であり、基本的にこのフェーズではパイロットはエンジン始動の準備をしている段階になります。
一方で、飛行機の機体制御はプッシュバックを行っているトーイングトラクターが一任しているため、コクピットから機体を制御することはできません。
また、このプッシュバック時は飛行機の前輪に『ステアリングロックアウトピン』と呼ばれるコクピットから前輪を制御することができないピンが差し込まれています。
そのため、大韓航空機のパイロットは機体の制御ができない場面でした。
キャセイパシフィック航空機
キャセイパシフィック航空機は駐機中であり、乗員乗客が搭乗していなかったことから、相当風が強く吹くなどの要因がない限り、動くことはありません。
まとめ
真相はハッキリとわかりませんが、今回の事故に関しての原因は確実にトーイングトラクターにあることは間違えありません。
雪国でのスリップ事故となると、かなり珍しい事故かと思いますが、決して起こらない事故とも言えませんので、いかなる場合も対処法を考えておくことが重要ですね。
また、今回の件の用にパイロットに起因しない航空機事故も頻繁に起きていることを考えると、いま一度事故を起こさない対策が求められると思いました。